10、クイーンズタウンC
2005年11月24日(木)


ジョイスが午前中観光だったので、午後部屋で落ち合う約束をして私は町に散歩にでかけました。思えば初めての”何も予定のない日”です。移動も観光もありません。あ〜、やっぱこういう日がたまには欲しいです。

クイーンズランドガーデンという大きな公園が近所にありますが、いや〜これが見事。
こういう公園が普通に街中にあるのがすごいです。街を歩いていても十分美しい景色ですが、この公園から見る山はさらに美しい。なんといっても車や人通りなどの喧騒が一切ないので、またまた別の街へ来たような静けさです。徒歩わずか15分とは思えないほど、ふか〜い自然の世界に入り込めます。



人影もほとんどない湖畔のベンチ。朝のぽかぽかと暖かい陽射しの中、1時間ほど山を眺めてぼーっと過ごしました。本当に贅沢です。こういう時間は大好きです。



昼すぎにジョイスと合流。どこへ行くか?という彼女の問いにまよわず「ケーブルカーに乗ろう!」と提案しました。街の一辺にそびえる山の急な斜面にはケーブルカーが。この街に来たときから気になっていました。きっと上にはさらにナイスな景色が待っているに違いない。
さらに昨日あったワーホリのみどりちゃんに「Lugeという乗り物があるのでトライすべし」と教えてもらいました。山の斜面をすべり降りてくる乗り物らしい。う〜、楽しそう。




上からの眺め。いや〜、ここも最高。


これがLuge。レバーを手前に引いてブレーキ、前に倒せば進む、というシンプルな構造。
基本的に子供向けのアトラクションでしたが、そんなことはかまわずトライする33歳と44歳。


ジョイス on Luge。かなりびびってました。おせ〜のなんのって。私より5分以上遅れて到着。


横ではパラセイリングのお兄さんがスタンバイ


タタタっと助走をつけると、ふわっとあっという間にはるか彼方へ。さいなら〜
結構高い場所にいます。拡大でどうぞ。

この天国に近い芝生でごろりと寝転がり、空を眺めていました。


夕飯を食べた後にジョイスと別れ、メールのチェックをした後に再び街を散策。ここも他の都市と同じく日の入りが遅い。8:00PMすぎてもとても明るいので一人歩きでも安全です。ふと耳を澄ますとどこからかバンドの音色が。音を頼りに歩いていくと路上でパフォーマンスをしています。彼らが普通の路上パフォーマーと違うのはその異様ないでたちです。なにが異様かというと、とにかく汚いのです。ほとんどホームレスといってもいいくらい。おそらくほんとにホームレス生活だと思います。そして自転車。私も中東を自転車で旅しましたが、その際同行していたロブというイギリス人の自転車を思い出させるものがありました。自転車の後ろにトレーラーと呼ばれる荷台を引き、自転車の前後左右、あらゆる場所に自転車が埋もれるくらいの荷物をくくりつけています。
どこかから旅をしてきているんだろうか?と思いました。

ただのヒッピーかと思いましたが、驚いたことにその演奏がまたうまい。20代前半くらいの男の子はしぶいR&Bを歌い、ドラムの子はビートの早いロック。このドラムがまたすごいのです。ドラムと呼んでいるがドラムでない。手作りなのです。いろいろとがらくたを組み合わせて作ったような感じです。いや〜、何を使ってもどこにいても音楽って国境を越えるんだなあ、とちょっと感動さえしました。あまりの彼らの汚さに「なんだありゃ?」と嘲笑する観光客もいましたが、私はず〜っと前にたって演奏を聞いていました。ず〜っと聞いていたい音楽でした。

ここでさらなるサプライズが。30分ほどすると彼らは食事に行くから、と演奏をやめました。なんとなく去りがたくその場に残っていると、1人の女の子が彼らに声をかけました。


女の子 「どこから来たの?」
バンドのみんな 「フランスだよ。君は?」
女の子 「ジャパン」


なんと日本人の女の子です。
そしていろいろやりとりをしていましたが、どうやら女の子も音楽をやっているとかなんとかという話。ドラムの男の子が「一緒に歌うかい?」と誘っています。冗談のつもりかと誰もが思っていましたが、その子が本当に歌うといいます。伴奏や楽譜は特にいらないと。そして、、


なんとアカペラでクラシックを歌いだしました。広場に突然現れた歌姫。ものすごい声量。ぴーんとどこまでもどこまでも伸びていく声。道行く人全てが立ち止まり、時が止まりました。みなが顔を見合わせています。誰一人しゃべる人はいません。ただ黙ってその光景を見つめていました。鳥肌が立ちました。すごい!!


わずか1分くらいだったと思いましたが、いや〜驚きました。小汚いバンドくんたちとクラシック。あまりのギャップがまたまた楽しいです。これほど充実したコンサートは生まれて初めてです。めったにチップを渡さない私ですが、自分じゃできない旅をしている彼らに少しでもエールを送りたくて、よれよれのギターケースに少し多めに珍しくお金を置いてきました。



その後、再び街をふらつきBONZというセーターのお店へ。NZやAUを旅した人なら必ず一度は目にしたことがあるはず。店に入ると店員の女性が声をかけてきました。


「クイーンズタウンはいかがですか?」


にっこりと笑顔のかわいい人です。あまり構うと商品を押し付けられそうなので適当にはぐらかそうと思いましたが、その女性の人柄があまりにかわいらしくて、思わず警戒心も解けてしまいました。バンドの興奮さめやらぬ中、なんとなく人と話したかったので、そのお姉さんとしばし雑談。話を聞くとなんとワーホリというではないですか。きちんとした身なりだし、高級そうなお店だったので、「ワーホリってこんなお店でも働けるのー?」と失礼なことを言っていました。彼女がただのバイトと分った私はさらにこう言いました。

「それにしても、この店のデザインって・・なんかダサいですよねえ・・


しかし彼女は気分を害するでもなく、ちょっと苦笑いすると


「はい・・」



と、素直に認めました。さらに失礼な私は、こんなにダサいのになぜあちこちに支店があるのだ?そんなに売れているのか?と質問。別に意地悪で聞いたわけではなく、個人的には南半球七不思議のうちに数えたいくらいホントに不思議。


しかし彼女いわく、商品は全て手編みでニッターと呼ばれる専属の人がNZに200人ほどいてその人達だけで編んでいるそう。また、なんとか羊という普通のその辺の牧場にいるのではない羊の毛を用いているのでとても暖かいのだとか。生後2ヶ月までの子羊の毛だけで編んだ、というお高いコートもありました。

へえ〜・・・。


説明をきちんと聞くと、なるほど、そんなに悪いものでもないのね、って感じです。
仕事そっちのけで2人でおしゃべり。NZはどこを廻ったのか?ワーホリ生活の話など。29歳とのこと。どうりでしっかりしています。お金がないのでエージェントなどは通さないで自力で来たそうです。ホームステイも英会話学校も何もなし。私のワーホリ時代と同じです。「英語が全然話せないのでがんばらないと」と、言っていました。こういう人はホント、応援したいです。


こうしてたくさんの素敵な出会い、アクティビティを満喫し、最後のクイーンズタウンの夜となりました。
明日はティマルへ移動です。



荷物満載の自転車。


メインはブルーのTシャツ、赤のバンダナ、えんじのトレーナーの3人。フランスから来ているそうです。他は地元の小僧たち。憧れて寄り付いてきているようです。


この子が歌が上手い!


一生懸命です。ほんと、楽しいライブでした。ちなみにこの明るさで8:30PM。





武石 佐保さん。クイーンズタウンのBONZにお越しの際は是非声をかけて下さい。とても素敵な女性です。


クイーンズタウンの夕暮れ。これでも9:00PMくらいです。日の長さは北欧なみです。