12、ティマルA
2005年11月26日(土)

                             willis家の天使、メディ
                    


今日は土曜日。ボブたちも仕事がお休みなので一日私に付き合ってくれることになりました。ティマルはこれといった観光地ではないので、誰も相手にしてくれる人がいないと確実にやることがなさそうです。なので週末を狙ってきました。車で近所の山まで飛ばします。海も近いし、車で10分も走れば羊が放たれた牧草地帯。
いや〜、ほんとNZってどこにいっても羊がいますねえ。そしてこの自然豊かな環境。いつもなら「東京大好き。どこにいっても東京が一番。田舎嫌い」と評価していた私ですが、この時ばかりは「あ〜、こんなところで暮らしたい」とちょっと思ってしまいました。まあ、場所が良かったということももちろんありますが、何よりもボブさん一家の温かさのせいもあるかもしれません。1人でこの街にきていたら「つまんない街、ケッ」となっていたでしょう。


美しい山々、牧歌的な景色を眺めながら、時々一家がハイキングにくるという山に到着。その名も”マウント・ホリブル(恐ろしい:という意)」しかし、その名に反してホリブルどころかビューティフル。
マイナスイオンの充満する豊かなレインフォレスト、ひんやりと気持ちのいい空気、本当に空気がおいしい。
ボブさんは昔国立公園で働いていたことがあるらしく、植物にものすごく詳しい。道中、木や植物の説明をしてくれながら、ゆっくりゆっくりと山を登りました。子供たちもキャイキャイおしゃべりしながらくっついてきます。


途中トイレに行きたくなりました。大自然の中、公衆トイレなんてどこにもなく、かといって逆に探す必要もないほど人気もなく・・。幸いキャンプ経験があるので、青空トイレもさほど抵抗もありません。そんなことより早く出したい!生理現象はどんな恥をも忘れさせます。ボブに「おしっこしたいからあっちの木の陰に行って来る」と告げ、長く伸びた草むらを歩いて行きます。するとボブが「あっ、その辺はぬかるみだから気をつけて!」といわれたときは既に遅し。ズボっ!と足がいきなりぬかるみにはまりました。キャーっ!とバランスを立て直すために別の場所へ足を踏み込むとまだズボッ!その場に固まり、ボブを見上げて一体どこを歩けばいいのだ??と叫ぶ。ボブは「そこをずーっと右に行って。もっと、もっと。そうそう。そこをまっすぐ歩けば大丈夫」

私からしたらどうみても、どこもかしこもただの草むら。なぜボブはそこはOK,そこはダメ、と分るのか??
それを聞くと、地面がぬかるみの場所に生えている草は他の場所に比べて成長しているとのこと。なので、周りと比べてその一体だけ背の高い草むらがあったら、地面はぬかるみになっている可能性が高いので立ち入らないように、とのこと。なるほど〜。さすがネイチャーレンジャー。勉強になりました。

1時間ほどハイキングをした後、おうちでランチをするためスーパーに立ち寄りました。子供たちを車から降ろして皆で中に入りましたが、この時彼らは裸足。オーストラリアに引き続き、ここでも裸足文化健在です。ほんとにまあ、逞しいですねえ。

家に帰ると、野菜とハムとパンでサンドイッチ。テーブルを囲んで皆でワイワイと食べるランチは楽しいです。ボブは早速ビールを開けています。
この時点はすでに2:00PMくらい。夕方から友人の家でBBQパーティーがあるとのこと。もちろん一緒に行くことにしました。泥沼につっこんだ靴を洗って干し、庭のテーブルでぽかぽかと南半球の暖かい日に当たり、コーヒーを飲みながらボブとおしゃべり。クリッシーは子供たちの服にアイロンをかけたり、洗濯物を干したりと忙しく家事をしています。いや〜、ほんと、穏やかな午後。これを幸せと呼ぶのでしょうか。


夕方5時頃、ボブの友人宅へ。こりゃまたすごい家でした。知人であるブレッドさんの家はまさに大草原の小さな家、ならぬ大きな家。まだ築2年ということでピカピカの豪邸でした。広大な牧草地を所有し、20頭ほどの羊、3匹のブタ、犬、ウサギ、などを買っています。羊とブタは自分で食べるのだそう。ひえ〜。彼はかなり熱の入ったハンターです。NZあたりではハンティングを趣味としている人が少なくありません。しかしこのブレッドさんはまさにハンティングおたく。家に入るといきなり大きな鹿の剥製が数等壁に飾ってあり、ガレージにはさらに多数の獲得した獲物たちの骨が所狭しを並べられています。新婚旅行もアフリカへハンティングに行ったとのこと。ひときわ立派な鹿の剥製は、10日間のキャンプを20回やって、やっと捕獲したとのこと。ヘリで雪山へハンティングに出かけたりとその情熱は並々ならぬものが。雑誌にも何度か登場しており、自分が表紙を飾った号を見せてくれました。いや〜、かっこいい。まさに男のロマンですな。

仕留めた獲物はその場で内臓などを取り出し、さらに驚いたことに骨も抜き取ってしまうそうです。骨はとても重いし、必要ない、と言っていました。大物のいのししを仕留めて死骸を首から背負って歩いてきた時は、シラミが首の周りを登ってきたとも。お〜・・・・・。好奇心の強い私もさすがにそこまでは・・。

彼らは飼っていた羊をさばく時も子供たちにきちんと見せるそうです。生命というものを、自分たちが何を食べて生きているのかということを、肉はスーパーのパックではなくここから来ているのだということを、きちんと教えるためだと言っていました。
ボブも2人の娘たちの前で羊を殺してさばいて見せたことがあると言っていました。子供たちの反応は?と聞くと、あっけらかんと「すご〜い」って興味深々で見てたよ、とのこと。下の娘メディは


「ねえダディ。チキンは羊のどこの部分なの?」


って聞いてきたよ。と笑ってました。かわい〜。

鹿肉のBBQと奥さんの豪華な手料理の数々。そしてもちろんビールとワイン。3家族集まっており、皆それぞれ子供を連れていました。大きなトランポリン(!)を出して子供たちがピョンピョン跳ねて遊んでいます。

夜になって酔いが廻ってくるとブレッドさんがいいものを見せてあげる、とテーブルの上のグラスを片付けだしました。何をするのかな?と思っていると、テーブルの表面がフタのようにカパっと開いて、なんと中には所狭しとライフルが!すげっ!「ジェームスボンドみたいー!」と興奮する私にご満悦の彼は、いろいろとライフルの説明をしてくれました。しかし私以上に熱心なのはボブ。久々に見たらしい友人のコレクションに、同じくハンターである彼もうらやましそうでした。


結局お開きになったのは夜9時過ぎでした。すっかり酔っているボブの代わりに帰りは奥さんが運転。
久しぶりのホームステイでしたが、やはり楽しい!旅行とは確実に違う経験ができます。是非いろんな人に体験してもらいたいです。感動的に温かい家庭です。近所には英会話学校もあるので、興味のある方はご相談下さい。

余談ですが、別の友人も数年前にこのお宅に語学学校にいきながら3週間ほどステイしたらしいですが、滞在中はアトピー性皮膚炎が治った、と言っていました。ネイチャーパワー。すごいですねえ。

ボブとメディ


お姉ちゃんのモーリー(8歳)と。


BBQ用のサラダをつくるボブ。よくキッチンにたっています。


ブレッドさんのお宅


こんな広いです。


右がティマルのジェームスボンド:ブレッドさん。ジョージ・クリーニー似のハンサムです。


テーブルを開くとライフルコレクションが。娘が年頃になったらボーイフレンドは要注意です。


たくさんの剥製。家が広いのでいやらしくありません。


今にも動き出しそうなリアルな剥製。


さらにガレージには収まりきらないコレクションが。


圧巻!