12、そして旅人に パート2

旅モードになったからには、スーツケースはじゃまな箱でしかない。私に必要なのは、軽量かつ機能的なバックパックだ。
スーツケースを送り返すと、何件かの店を廻り新しいバックパックを購入した。仕方なしの作業だったが、バックパックを背負うととたんに体が勘を取り戻し「やっぱりこれだ!」と戻るべくして戻ったバックパッカーに、心がどうしようもなくウキウキしているのを感じた。どこにでも行けるんだ。再び自由を感じ鬼の行動力を取り戻した。やっぱり私はまだまだバックパッカーの女なのであった。
次の行き先を決める。何の興味もない国だったが、強いて私がやりたかったことと言えば

@フルーツピッキング
A乗馬ガイド
B観光ガイド

の3点だった。観光ガイドは最終的に収入手段となるので最後でいい。乗馬ガイドは馬に乗ったことは一度もないが、かっこよさそうなのでやってみたかった。共通した動機は基本的に“日本でできないことをする”ことだ。フルーツピッキングもそれにあたる。オーストラリアはとにかく広い国。一年中、どこかの土地で何かしらの農作物が収穫期を迎えていた。私は今の時期の収穫シーズンの土地を調べると、つたない英語で宿をとり、長距離バスを予約した。
2日でこれらのことを全て済ませると、クリスマスを一緒に過ごしたい、というおやじを無視し、私は変態屋敷と楽園サーファーズパラダイスをわずか2週間で後にした。