| 24, いざ、日本へ!・・・あれ?! |
さて、仕事を辞めることも伝え、私はぶらぶらと町の旅行代理店で成田までのチケット価格をチェックしたりと、すっかり帰国モードになっていた。しかし、またもやここで足どめを食らうことになる。 ガイドを辞める日まであと2日。 私はあるドライバーと仕事をしていた。ガイドとドライバーはチームだ。 一日中一緒にいるし、何かと協力しあってお客さんをまとめる。 いいドライバーと組むと仕事もとてもやりやすい。 バスドライバーというと腹のでた既婚者が多いなか、その日は唯一独身のわりとハンサムなドライバーだった。 今まで3回くらいしか仕事はしたことはなかったが、豪快によく笑い、細かく気を使ってくれ、英語がほとんど通じない日本人の団体客とも楽しく接してくれるサービス精神旺盛な人で、他のガイド仲間のうけも良かった。 昼ごはん、お客さんと離れてガイドとドライバー用に設けられたテーブルで食事をしていた。 いままで世話になったので私はあさってで仕事を辞め、日本へ帰ることを打ち明けた。急な話に彼は驚いていたが、今まで数多くのワーホリガイドを見送ってきたわけだし、彼にとってガイドとの別れは特別ではないように見えたが、 「ガイドの仕事はタフだし、仕方ないよね」と言ってくれた。 オーストラリアをいよいよ去る、と決心した時、そういえばケアンズに来て、観光らしい観光をほとんどしていないことに気がついた。 ついてすぐにピッキングの旅にでて、乗馬ガイドをし、その後はツアーガイドをし“ワーキングホリデー”の“ホリデー”はどこへ行った?という感じだった。私の旅はひたすら“ワーキング”だった。なんとなく彼に 「私、この町に来てからず〜っとガイドやってんだよね。だからどこも知らないの。どこか連れて行ってくれるとうれしいんだけど」 珍しく大した下心もなく訊ねた。 彼が車を持っていたからである。しかし、私の本心とは裏腹に、口説かれていると思ったらしい彼はしばらく考えこむと、「予定が分からないから」とその場での即答は避けた。 結局その2日後、私の仕事収めが金曜日だったこともあり、私たちはその夜食事にでかけた。 家に迎えにきた彼はもちろん私服で、いつも制服姿しか知らない私は妙に新鮮でどきっとしたが、それはどうやら彼も同じだったようだ。いつもは髪を後ろでしばり、ガイドの制服である白いシャツを着ている私だが、その夜は髪を下ろし、黒のちょっとセクシーなトップを着ていた。彼は「別人みたいだよ」と目を丸くしていた。 すし屋に入った私たちはビールの酔いも手伝って、かなりハイテンションだった。 彼もおしゃべりだし、私もおしゃべりだし、おしゃべり同士の会話は無制限一本勝負のようだった。 彼のユーモアセンスは私のツボにはまり私たちはげらげらと笑い転げていた。ゆっくり話してみると意外と相性のいいことに驚く。その後もなんとなく別れづらく、クラブへはしごして、お酒を飲み、遅くまで踊りあかした。あっという間の展開だった。 たった7時間で全てが変わった。 7時間前まではただの“ガイドとドライバー”だったのに。 離れられなくなってしまった。 彼のことをもっともっと知りたくなってしまった。 どうやら私はひとつの区切りをつけ先へ進もうとすると必ず“男”に出会うようになっているらしい。 神様が男という形で試練を送りこんでいるとしか思えない。 何のために?私を試しているんだろうか? 確かに一番弱いところをついてはいるけど・・。 本当はどこへ行きたいの? どんなことをしてでも先に進む強さがあるの? |
