| 3,そして旅人に |
| 家族に内緒で会社を辞めた。私の突発的な行動には母も慣れてる筈だが、仕事を辞めたこと、旅にでることを告げると 「もう帰ってこなくていい」 と言われた。どこにいるのか、いつ帰ってくるのか分からないから心配なわけで、それならいっそのこと“もう帰ってこなくていい”ということらしい。 「国が変わったたら電話する」 こんな適当な連絡ばかりしてたからなあ。しかし母のこの「私に娘はいなかったことにする」的発言にはさすがの私もとても傷ついた。 父親を交通事故で亡くしている母子家庭のくせに我が家はいたってのんきだった。気丈な母にどっぷりと甘え、母だけはどんなにわがままを言っても許してくれるだろうと高をくくっていたからだ。不安で不安で仕方なかったけど、私にとってこれは使命だった。 「いかねば」 なんだか知らないけどエネルギーがありあまっていた。そして何よりも義務感があった。何もしないのんびりした人生は時間の無駄だ。お金がなくなったら帰ってくる。そんなスーパー無責任な言葉を残し、世界地図と小さなバックパックだけを携え、私は大好きな家とそして日本を後にした。 |
