バックパッカーの人達にとってカオサンロードはもはや集合場所のようなもの。
すでに外国とは感じていない人も多いはず。「ちょっとバンコクいってくっかー」くらいのノリでかーるくいけちゃう。
ぶらぶら歩いてれば、数ヶ月前にどこかの土地であった人と再会したりはあたりまえ。
「おーっ、いつ帰ってきたのー?!」
なんて会話もよく耳にする。
はっきりいって安い東京。一般庶民の私達が急にブルジョアになれる買物と食三昧の町。
私の旅も他の人と同様ここから始まった。
最初に出会ったのは「J一」大学生(23)。しかもいきなりバンコクのエアポートバス
から一緒だった。ついたばかりの私はとにかく不安で、「誰か話しかけてー!」ビームをだしたかった反面、いつものひねくれ癖がでて
「ふっ、バンコクも日本人増えたわねー。」
くらいのバンコク上級者のふりをかましていた。
エアポートバスをベンチで待つ。周りは日本人ばっかだった。
「うー、ひとりぼっちだったらどーしよー。誰かとしゃべりたいよー。」
とにかく誰かとお友達になろう。もじもじしながら隣に座っていた男の子に話し掛けるすきを伺う。
口を開きかけたその瞬間、彼の反対隣に座っていた青年が一瞬早く彼に話し掛ける。開きかけた口を元に戻す。
知らない人との話しのきっかけってなんだろう。
こんなことで悩むなんて・・・。これから先が思いやられた。
別にナンパするわけじゃないんだから、気楽に気楽に。
どきどきしながら、いろんな会話のシュチュエーションが頭をめぐる。
考えた末・・・・、
「いやー、暑いねー。」
と誰にいうでもなく江戸っ子な姉さんを演じた。
「えっ?」
振り帰る学生。
「あっ、そうすっねー・・・・。えっ、どれくらいいるんですか(バンコク)?」
「無期限」
この一言で彼の関心が一気に私に向いた。
私たちは宿を一緒に探し、飯を食ったり、観光したり、3日ほど一緒にいた。
なんだかいいムード。彼は年下のくせにまるで私を小さな女の子のように扱った。
きっとそれが女の子を扱う時の癖なんだろう。彼は頭をなで、頬をさわり、私の一挙一動をからかった。
じゃれながらも、なんとなく甘いムードをそれなりに楽しんでいた。
でもバンコク飽きたなー。タイ飯もさんざん食ったし。
さあ、そろそろ動くか。いつまでも若い男といちゃいちゃしてばかりもいられない。
とりあえず、東南アジア一周することは決めていたので次はカンボジアへ向かう予定だった。
彼に、
「いっしょにいきたいなー」
ってちらっと言われた。
でも彼には彼のルートがある。私にも私のルートがある。
むちゃむちゃ寂しかったけど、同時に一人になりたかった。
でも、考えてみると女28歳、普通に会社に勤めていたら、大学生の男の子から
「寂しいなー。俺がいなくて大丈夫?心配だなー」
なんて、そんな甘い会話を交わす可能性はゼロに近いだろうな。
日本をでてわずか5時間。いきなり出会いは始まり、3日目に終わった。
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