2001.9.17 更新

Beautiful planet

akiko の恋愛旅行記

 07、ベトナム〜ラオス(国境)死んだ。二度といくもんか!ばかー!.
k田氏に別れをつげ、ラオスのサワンナケートヘ向かう。

お互いに気持ちはぶつけ合った。1度は別れ、ひょんなことからまた再会できた。

フエでの時間はいわば、おもいがけないプレゼント。

お互いに2人の時間を満喫した、きっとそんな満足感のようなものがあったと思う。

ラオス行きを私から言い出したときも、彼はそれが当然のように、快くうなずいてくれた。

実はカンボジア、ベトナム間は全てフライトでぴゅ〜ん、と簡単に渡ってきた私。

この後、ラオスを通ってバンコクへ戻るルートなのだが、

私は学生のようなスーパー節約生活はしたくない。特に陸路にこだわっているわけでもない。

別にフライトを使ってもよかったんだけど、せっかくアジアにリュックを背負ってきて

なんちゃってバックパッカーを気取っているのであれば、1度くらい陸路で国境を越えてみるか。

なんかかっこよさそうだし。話しの種に。

そんなかーるい気持ちで、決めた。




が、しかし…。

思い出しても涙がでそうになる、私の人生最悪の体験、できれば削除したい記憶、

とんでもないいばらの道だった。

ベトナム国内でのバス移動はまあまあ快適だった。

どうせあんな感じのバスでいくんだろうとたかをくくっていた。

夜9時ごろ、宿に迎えのバイクのおじちゃんがくる。

彼の後ろにのり、約1週間いたフエの宿に別れをつげる。

バイクからおろされたのは、普通の道端にあるうすぐらい一件の飲み屋。

軒先ではベトナム人のお父さんたちが強い酒を飲み比べ、

かなりへべれけによっている。まわりに他に店はない。

もちろん観光エリアからは完全にはずれている。

「……どこ?」

外国人は私の他はいなく、もともと暗い場所が苦手な私はかなり固まっていた。

不安になり聞くと、ここで他の客をまってそこからバスのある場所までいくという。

半信半疑ながらも、そこでまっていると私と同じ宿に泊まっていた日本人達が

次々と連れてこられた。とりあえずひと安心。待つこと1時間。

ここからバンでバスのある場所まで移動。

このバス、見かけは日本の観光バス並の大きさ。

まあまあじゃん、あとは寝てればつくのねー、と思いきや。

中に入ってびっくり。

ものすごい量の荷物を掲載しているのだ。

座席の下、通路、後部座席。座席以外の全ての空間という空間が荷物で生め尽くされていた。

間隔の狭いシートには足元に高くつまれた荷物のため、体育座りしかできない。

通路も天井までの半分が荷物でうもれているため、かがまないと

歩けない。しかも、座席のない人々がその通路の荷物のうえにあお向けになって

寝ているのだ。

もう、酸欠で死にそうな、人も荷物も判別できない状態だった。

出発したのが夜中の12時。

酒を飲み過ぎて吐き続ける奴、通路の奴は平気で足でけってくる

ひざを抱えたまま身動きはとれない、もう最悪の環境だった。

揺られること4時間。突然バスは止まった。

ラオス国境があくのが午前7時だという。あと3時間ここでまつらしい。




。

走っているときは室内の電気がほんのりとついていたのだが、

ここでエンジンを切ったとき、まわりは真の闇に包まれた。

国境付近には外灯もなく、50メートルほど先にある国境ゲートであろう

オフィスのような白い建物だけが唯一明かりに照らされ、寂しくうかびあがっていた。

土ぼこりがひどく窓をしめきっていたせいで、室内はひどい蒸し暑さ。

いびきさえ聞こえ、熟睡するベトナム人たち。

暗い、狭い、暑い……。

突然、私の中に恐怖感がわきあがった。

動悸がし、後頭部に寒気がはしり、もう叫びだしそうな衝動に駆られた。

“ここから出たい!助けて!”

パニック。

「ソーリー!ソーリー!」

寝ているベトナム人を何人も踏みつけ、真っ暗なバスの中、一目散に手探りで

出口へ向かった。

バスの外。ひんやりと冷たかった。半そででいるには寒い。

さっきまでの動悸がうそのように収まる。

「……なんだったんだろう??」

子供の頃の記憶がよみがえる。狭いトイレの中、友人3人ほどと一緒に

トイレに閉じ込められ電気を消された。もちろんよくある冗談。

だけど、私は他の子たちのようにはしゃげなかった。

気が狂いそうだった。でも理性と戦っていた。

エステなどでもそうだ。アイマスクなどをかけられると、

もう、怖くて叫びだしそうになる。

閉所暗所恐怖症だ。




こんなやっかいな症状をもって、これから旅なんか続けられるのだろうか?

しかもアジア。これから何度バスに乗るだろう。

この時を境に私は一気に旅する気力を失った。



結局この日はバスに戻ることもできず、屋外でふるえながら夜明けを待った。

寒くてどうしようもない時は、かすかに温まっているバスのエンジンに身を寄せた。

ときおり「カサカサ」と聞こえる物音。

ドキっとして目をこらすと野良犬だったりする。

怖くて寒かったけど、あのバスに戻ることを思えば100倍ましだった。

2度ほど、眠れないのか同乗していたノルウェー人が煙草を吸いに外にでてきた。

私に気づくと 

「何してんの?」

と訪ねてきた。

それまで、外人と話す事なんてなかった私はどきどきしながらも

とにかく誰かと話して気をまぎらわしたくて、暗闇の中にいるとパニックになることを、

つたない英語で告げた。

彼は

「too bad (かわいそうに)」

と言ってくれた。

分かってくれただけでもうれしかった。




だんだんと夜が明け始め、国境付近には朝食をうるおばちゃんたちが

天秤籠のようなものを肩から下げ集まってきた。

午前7時。私は初めて、自分の足で国境を越えた。

I open my mouth 'cause I'm waiting for your love to fall from sky.

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