2001.9.17 更新

Beautiful planet

akiko の恋愛旅行記

 11、タイ(バンコク・再再)涙のおつげ.

さてさて、またまたバンコクに来てしまいました。

実は私は前回バンコクを去るとき、かけがえのない友人とめぐり合った。

バンコクにアパートを借り、タイ語の勉強をしているMちゃん(27)である。

彼女の言葉で今後、私は大きく救われることになる。




年齢層の低いカオサン通りにおいて、珍しく私と同世代の女性。

学生ばかりの若い付き合いにやや疲れていた私たちは、すぐに意気投合し、友達になった。

彼女のアパートに転がりこんだ私は、

もうひとりみちかんを訪れていたネパールからの友人E子さん

(彼女はネパール人の夫を持つ日本人女性である)と女3人の共同生活が始まった。

私たちは三者三様違っていた。

E子さんは立てひざついてたばこを「すぱーっ」っと吸い、

背中一面と胸元に不思議な模様の刺青を入れていた。

折れそうな華奢な体に以外と豊かな胸。下着姿でうろうろされると、女の私でもどきっとした。

そして、恐ろしく美人だった。

濃い眉に長いまつげ、長い黒髪。

全体的にきりりとした顔つき。見つめられると、

身動きがとれなくなりそうな、力強い目をしていた。

とにかくかっこよかった。1つ年下なんだけど、自然と「さん」づけで呼んでしまう、

そんな風格をもっていた。

Mちゃんは、ぽっちゃりしていて、陽気な人。

変な言動でいつも私を笑わせた。

とにかく気を使う人で、人を包み込んでこれるやさしさをもっていた。




3人とも結構がさつだった。あまり部屋のことにかまわない。

脱いだものは丸めて脱ぎっぱなし、いつ洗濯したのか分からないような感じ。

冷蔵庫の中も閑散としており、狭いテーブルの上にはいつも飲みっぱなしのカップが置かれ、

吸殻が飛び散っていた。

私も日本にいる時はかなりぐうたらな生活をしており、

掃除機なんてワンシーズンに一度。

見かねた母親が掃除し、ベッドカバーなどもいつの間にかきれいになっているという始末。

テレビやピアノの上にはいつも埃がたまっていた。とにかく掃除は大嫌い。

仕事着を半年くらい洗わなくてダニがでたこともある。

高校の制服のワイシャツは当然アイロンなんてかけないのでクシャクシャ。

なぜか生活指導の先生に

「女なんだからアイロンぐらいかけろ!」

と叱られた。

見渡すと私以外の全員のシャツにはパリッと線がついていることに、初めて気が付いた。

28歳にもなるのに、料理もほとんどしたことがない。

「そんなもん嫁に行けば嫌でもできるようになんだろ。」

と思っている。

母が仕事をもっているにもかかわらず、家事一切はどっぷりと甘えていた。

私は上に一人兄がいる一応「長女」だが、どちらかというと「次男」という感じだった。




が、そんな私が、私以上に何もしない2人と一緒にいるとき、

きれい好きで世話好きな大和撫子と化した。

人には役割分担がある。

この中での私の役割はこうだな、とかなんとなく分かるときがある。

毎朝、朝食を並べ、フロアをはき、ヘビースモーカーな彼女らのちらかした灰皿を洗った。

やればできるのである。やっぱ、普段無理してすることなんかないのよね。

(ちなみに旅が終わって実家に帰ってからも私は冷蔵庫の中にあるもので何でも作れた。

驚くべき潜在能力。女の本能か??)

ずーっと実家で育ち、他人と暮らしたことのない私は、この生活を大いに楽しんだ。

ちょっとしたトレンディードラマな気分。おほほ。




前回のタイ滞在でインドに行くとか行かないとか、いろいろ悩んでいた私だが、結局

インドのガイドブックは日本においてきたまま持ってこなかった。

そう、あきらめたのである。

私の目的は中東。インドなんて近いしいつでもいけるからといいか、思っていた。

が、E子さんとの出会いによって、また新たなる展開を見せ始めたのである。

そう、彼女の夫はネパール人。彼女のネパール暦は長い。

ネパールべたぼめなのである。そしてMちゃんもネパール経験者である。

「タイに来たときは感じなかったけど、さすがにネパール来たときは“遠くにきたなあ”って思ったよ」

「空港から山が見えるんだよー。町からも見えるよ」

う〜ん・・・・。ネパールなんて、

日本にいるときはどこにあんのかもよく知らなかったし、考えもしなかった。

だけど、話を聞くとほとんどの旅行者はネパールとインドはセットとして考えているらしい。

お隣だから行き来が簡単なのだ。

そういえば、私の高校の友人で既に世界旅行を終えた奴がいるけど、

彼がネパールの「ポカラ」という町を絶賛していた。

航空券をチェック。以外と安い。・・・・・行ってみっか。

バンコクで10日ほど、うだうだした末、やっと私は決断した。

ネパールへ行こう。

E子さんとの出会いによって、私の旅程は全く違う方向へ動きだした。

ほんとに、何が起こるか分からないなあ。こうした「人」との出会い、

やっぱ旅の醍醐味はこれだね。




話はそれるが、カラーセラピーというのを皆さんご存知だろうか?

2層になった2色の色の入ったボトルが100種類ほどあり、直感で4本のボトルを選ぶ。

それぞれのボトルの色がそのときの精神状態を語るというもの。

自己分析、ちょっとした占いみたいなもの。

Mちゃんはカラーコーディネーターの仕事を日本でしている。

そして、彼女はこのカラーセラピーができる。

彼女の家でカラーセラピーの本を発見した私はMちゃんにせがんでやってもらった。

本来は瓶に入ったカラーの液体から選ぶのだが、即席なので、

ずらりと並んだカラフルな写真の中から好きな色を選ぶ。

元来私は原色が好きだ。赤とか黄色とかオレンジとか。

4つ選ぶんだけど、だいたい3つ目までは、ぽんぽん決まる。なんとなく好きな色が固まる。

ピンク&イエロー、イエロー&オレンジ、赤&オレンジ。

これでもかっつうくらいの結構きつめの原色の組み合わせばかり選んだ。

最後の4つ目。ここでしばし考える。だいたい好きな色は出尽くした。

同じ色ばっか選ぶのも芸がないような気がする。

というか、同じような系統ばっかり選んで、そろそろ違う色が欲しくなる。

最後に全く異なる組み合わせを選んだ。

上層に淡い紫のようなピンクのような色「ライラック」という色、

これは花の名前でもある。

下層に透明なブルーが沈む美しい瓶だった。

これらの瓶は何を意味するのか?

1本目:本質   2本目:悩み   3本目:現状  4本目:未来

を現しているらしい。

もちろん同じ色の組み合わせでも、

その色が下層にくるか上層にくるかで意味も変わってくる。

以下は私の言葉ではなく、色によってMちゃんが読み取ったメッセージである。



本質:思考、知性を現す。いつも考えてるのに自由奔放なフリをしてる。



悩み:これからおこる事件の暗示を示してる。

もしくはもう起こっている(このときは何かもう分かってた)。

なんとかしたいのに、またまた考えてる。

しかも、出来るだけ、上品な、合理的な方法で対応しようとしてる。

(結局ずるいのよね)



現状:下半身の能動性の暗示。考えても仕方ない。とにかく動こうということ。



未来:思ったことを愛情を持って口に出せる。人に伝えられるということ。




なんだかさっぱり分からない人もいるかと思うが、これを聞いた時、私は心底びっくりした。

何もかもがあたっていた。

確かに私は考える人だ。そして考えすぎる自分が嫌いだ。

何も考えないで行動できればどんなにいいか、と日々思っている。

そして、私の周りの人間のほとんどが私のことを明るく、

自由奔放だと思っているだろう。

なぜなら、私がそう振舞っているから。

明るく振舞うのは、私の鎧だ。

私はとても臆病で自分をいろんなものにとらわれている、

ネガティブな人間だと思っている。

悩みは、これからの旅の進路。これはほんとに悩んだ。

とりあえずいっちゃえば絶対楽しいのは分かってるのに、なかなか腰が重いのよね。

また、K田氏との呪縛もあった。現状として、ネパール行きを決めた。

色が語る通り、悩んでても仕方ない、とにかくこの国(タイ)を出て先へ進もうと決断した時だった。

下半身の能動性は私の前進を意味する。

一番こたえたのは最後、未来。

私が何も知らず最後の瓶を選んだとき、Mちゃんは驚きの声をあげてこう言った。

「やっぱりねー。あきこさんってそういう人だったんだねー。

そうだよねー、私もそういう人になりたいなー。」

「???」

一人盛り上がるMちゃん。さっぱり訳がわからないまま、私は彼女のお告げを待った。

色が示すのは、“のど、声、愛情”。

先にも書いたが、自分の思いを愛情を持って人に伝えたいということ。

そして色が透明なほど、その人の浄化を意味する。

原色が続いた中で最後に私が選んだのはどちらも透明感のある淡い色だった。




私はこれを彼女の口から聞いた時、こみ上げてくる感情を抑えきれず涙を流した。

私がこの人生の中でずーっと悩んでいたことだったからだ。

ぺらぺらよくしゃべるけど、肝心な自分の思いは相手に伝えられなかった。

言いたいことが表現できなくて、人から誤解されることも多かった。

自分が嫌いだった。自分を変えたかった。

そして「浄化」、心のきれいな人間になりたいと願ってる。

色が語る私の未来、私の潜在意識。

何がうれしかったって、Mちゃんが私を理解してくれたことである。

もちろん彼女は占い師でもなんでもない。

ただ色の現す意味を知ってるだけ。

だけど、それによって本当の私に気づいてくれた。

今まで私は、だれも私をわかってないと思っていた。

まるで反抗期の中学生のようだが、本当にそう思っていた。

また、そう思うことで私も一歩ひいて人と付き合っていたように思う。

今回のこのカラーセラピーはほんとに目からウロコだった。

彼女との出会いは私に大きな自信をもたらした。

世の中には不思議なことがたくさんあるのね。

興味のある方はぜひやってみて。




そうそう、不思議なことといえば、さらにこのMちゃんとの出会いを間接的に予言した人物がいる。

なんだか、話が変な方向になってきちゃったけど、まあ手短に。

私の大学時代の友人A美である。

彼女と私は学生時代によく2人で旅にでた。

確固たる自分の意見をもっており、べったりしすぎない性格と、

人の話しを良く聞いてくれるところが好きだった。

この旅の間も、何度となく私は彼女の言葉に助けられた。

彼女はいつも的確な意見を言う。

甘やかさないで本当のことを言ってくれる友人は稀だ。

私が最も信頼し、尊敬する友人のひとりである。




旅にでて間もない去年の11月、彼女がおかしなメールを送ってきた。

「最近ゼロ学に凝ってんだ。あっこの生年月日教えて。見てあげるよ」

なんじゃそりゃ?

いわれるままに生年月日を教える。

返信の中で彼女は言った。

「今年中に人生に関わるであろう人と出会うよ。

1月はちょっと疲れがでてお休み。来年は人との出会いの年だね。

いろいろな人と出会うよ。あっこはいい時に旅に出たんだよ。」

まるで、旅にでるべくしてでたようなお言葉。ん〜、ありがたい。

そして怖い事に、私は1月に日本に帰っている。その時は彼女の言葉なんて

すっかり忘れてたけど、今から思うと大当たり。こわすぎ。

そして、その「人生に関わる人」であろうと思われる人に私は2人出会っている。

そのうちの一人が、私はMちゃんではないかと思うのである。

別にMちゃんに旦那になる人を紹介してもらうとか、

うちの兄ちゃんと結婚して義理の姉になるとかそういう物理的な関わりではなく、

もっと精神的なもの。これからも友人としてずっと続けていきたいというような。

彼女は現在日本にはいないが、私達はいまだにメールで続いている。

あきらかに、いままでの私のお友達とは違うタイプだが、一緒にいるととても安心する。

私が変わったのかもしれないけど。

この調子でいくと、A美の占いだと私は大器晩成、そして、

32歳の時に妙にモテる波がくるという。

もったいないので、それまでは絶対に結婚はしない、と固く誓う私であった。

早くこないかな〜32歳。




ところで、みなさん覚えておいででしょうか「K田氏」。

そう、私が東南アジアでさんざんいろいろあった奴。

実は私は日本にいる間も彼とメールで続いており、

タイ再上陸の際も彼は空港まで迎えに来ていた。

話を聞くと、私がラオスで彼を待っていた時、彼は何日目かのバスでラオスに到着していたという。

そういえば、来るはずのバスがこない夜があった。

私は今日はこないんだと諦めて帰ったんだけど、どうやらその後に到着したらしい。

あんな狭いひとつの町にいたのに、毎晩彼を待ち続けた私。あー、損した。

タイに帰ってきて、すっかり日本の彼氏のことを忘れた私は(あー、ほんとニワトリなみの脳みそ。

誰か叱って。)またまたK田氏との恋愛にのめり込んだ。

私のネパール行きが決まり、彼はこの後またカンボジアにいくという。

私は、もう東南アジアへは帰ってこないだろう。

いよいよ本当の別れがきた。お互いにセンチメンタルになった。

そんな中でも、相変わらずささいなことで喧嘩を繰り返し、愛憎渦巻くおかしな関係になっていた。

別れの前日、食事をしながら

「私のためになんかプレゼント買ってよ」

と突然私は切り出した。なんとなくわがままを言いたかった。戸惑う彼に

「私が選ぶんじゃなくて、何を買えば私が喜ぶのか。何色が好きなのか。自分で考えて」

普段は絶対にそんなことは言わない私である。

例え自分の彼氏がどんなに一生懸命選んだものでも、いらないものはいらなかった。

合理的なかわいくない女である。

彼は本当に戸惑っていた。

「3ヶ月も一緒にいて、私のこと何にも見てないのね。」




彼の顔がゆがんだ。泣いていた。

私がびっくりした。そんな泣くようなこと言ったか??

「そうだよな・・・。俺、あきちゃんのこと何にも見てなかったよな・・・。ごめんな。」

最後の声はかすんでいた。

「なんで俺たち分かれるんだろう・・・・」

散々今まで人のこと責めて泣かしたくせに急に申し訳なく思ったのか彼はそう言った。

う〜、こっちまで泣きたくなるじゃんよー。ばか。

でも、男の人って、結構女の人のこと見てないよね。




結局彼は散々探しまわった(本人談)末、

華奢なシルバーのブレスレットと何かの木でできた小さな目の形をしたかわいらしいお守りをプレゼントしてくれた。

ブレスレットには小さな紫のアメジストの石が6つ埋め込まれていた。

アメジストは2月の誕生石。そして今2月。なんだかおかしな偶然を感じた。

お世辞ぬきでとても気に入った。




別れの日、MちゃんとK田氏が空港に来てくれた。

彼女にはK田氏を紹介していた。Mちゃんにお別れに私が選んだブレスレットをプレゼントした。

みんなが感傷的になっていた。普段は陽気なMちゃんが涙ぐんでいた。

気を効かせて席を外すMちゃん。2人きりになった私とK田氏。たわいもない話しをする。

時間がきた。イミグレーションへ向かう。ここに入ったらほんとにもうお別れ。

明るく別れようと思ったけど、後ろを振り返ったとたん今まで笑っていた彼の顔が一瞬、

今にも泣き出しそうなほど歪んだ。

鼻の奥がつんとなった。彼が泣いたら絶対私も泣いちゃう。

きっとわんわん泣いちゃう。もう振りかえらなかった。

さよならバンコク。旅の出だしからこんなに濃い恋愛すると思わなかったよ。


You are fake, but completely real.

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